木造のクレーンと港
リューネブルクの駅から歩いて旧市街に足を踏み入れると,木造の古いクレーンと川が目に入ってくる。この一帯はかつて港だったところ。クレーンで船への商品の積荷,荷揚を行った。船に積まれた塩はイルメナウ川を北上しラウエンブルクを経てリューベックまで運ばれた。ここに最初にクレーンが建てられたのは1332年のことだというが,現存するクレーンは1797年のに建てられたもの。趣向を凝らした装飾の家並み
イルメナウ川沿いの家並み。右から2番目の家には赤い縄模様の装飾が施されている。このように家の装飾にお金をかけられたのは,リューネブルクが塩によって豊かな街だった証である。リューネブルクを歩いていると,このようなねじり模様(縄模様)で飾られたファザードや階段状の破風をもつ特徴的な家並みがつぎつぎに現れる。リューネブルガーハイデ
リューネブルクの現在の人口は約7万人。
自然保護地区リューネブルガーハイデにエリカの花が咲き乱れる季節になる8月には,街は多くの観光客で溢れかえる。ハイデ(Heide)とは「荒地」の意味。塩の精製に必要になるかまどの薪を調達するために,森林が伐採され巨大な荒地ができた。その荒地に赤紫色のエリカの花が一面に咲き,今では観光名所となっている。
詳しくは リューネブルガーハイデ観光局
または リューネブルガーハイデ観光ガイド市庁舎
この美しい建物はリューネブルクの市庁舎。
13世紀に建築が始まり,街の発展とともに増改築が重ねられてきたために様々な建築様式が混在している。バロック様式の市庁舎の東側(写真)は18世紀に建てられたものだが,内部では中世につくられた薄暗い木造の部屋を見学することができる。塔にはマイセン磁器の鐘が取り付けられているという。
(写真左)朝市
毎週水曜と土曜の7時〜13時に市庁舎前広場で朝市が開かれている。13世紀から続くという歴史あるマーケットである。
(写真右)観光馬車
観光馬車に乗って街を一周するのもおすすめ。市庁舎前から乗ることができる。曜日,時間,料金などはこちら(Luene-Info)。アム・ザンデ広場 Am Sande
ここは,かつてのハンザ商人の館が建ち並ぶアム・ザンデ広場。ひとつひとつの家並みをじっくり眺めると,ゴシック,ルネッサンス,バロックなどの建築様式が混在していて興味深い。奥に見えるのは聖ヨハニス教会の尖塔。北ドイツにはこれを手本として建てられた教会が多く存在する。ビール醸造も
アム・ザンテ広場に黒レンガ造りの特徴的な建物がある。ここはかつて酒場や宿泊所などを兼ねたビール醸造所だった。塩で乾いた喉をうるおすために,リューネブルクではビール醸造も盛んに行われていた。現在は商工業局(Industrie- und Handelskammer)として利用されている。ローテハーン救貧院 Hospital zum Roten Hahn
観光スポットとしてはあまりメジャーではないが,Rotehahn通りに木組みの小さな救貧院がひっそりと佇んでいる。通り沿いの小さな入口から,これまた小さな中庭に入ってみよう。物語に出てきそうなレンガ造りの古い家並みを眺めていると昔の人の息づかいが感じられる気がする。この救貧院は16世紀に参事会員の寄付によって建てられた。ここの中庭はニコライ教会の尖塔が良く見える写真スポットでもある。
その他の見どころ
・ドイツ塩博物館 Deutsches Salzmuseum
…当時の製塩所の様子などが詳しく再現されている。詳細はこちら。
・給水塔 Wasserturm …塔の上からの街の眺めが良い。
・聖ヨハニス教会・聖ミヒャエル教会・聖ニコライ教会
・ラーツアポテーケ Ratsapotheke …グロスベッカー通りGroße Bäckerstraßeにある薬局。1578年建造の建物の入口の豪華な装飾に注目。
・カルクベルク Kalkberg…1000年以上も昔,ここから街の歴史が始まった。Kalkは石灰,Bergは山(丘)。つまり石灰でできた山だったが,輸出のために石灰が切り出され,かつて標高70mだった山は今は57mの高さしかない。山頂から街全体を見渡すことができる。
「塩」で栄えた街リューネブルク
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